ライフサイエンス事業 すべては、微細な動きを捉えることから、始まる。
01.

ヤマホの精神

ヤマホの歴史は現状に留まることのない、 新しい領域への挑戦の連続だった。 初代は、大豆・米などの穀物問屋から、味噌・たまり醤油の専門店に。二代目は、米菓用のタレ、調味液の開発と製造を始め、三代目は、その歩みを一歩進めて、「アラレラック」、「マルトマイン」、シーズニング、配合調味料へと広げることとなる。

02.

時代の先駆となる
新たな領域へ

「言葉にならない“味覚”を、研ぎ澄ますDNA」はいま、生命科学分野との出会いを経て、新たな領域へと歩みを進める。 自律神経活動の測定により生理機能を評価する独自技術で、五感への刺激が自律神経に及ぼす影響を見極め、新しい食品や味覚、香りを生み出す挑戦が始まっている。

03.

新しい、次の100年へ

新領域で得られた知見と経験は、従来から続けてきた味覚の開発というフィールドにも影響を与え、新しいサイクルを生み出す。また、それが次の新領域へとつながっていく。

人間の体を一定に保つ「ホメオスタシス」と自律神経の関わり。

私たちの体は、気温の変化や、食事の摂取・運動による体温の変化など、体内外の環境の変化に常にさらされており、その変化の中でも、血圧や血糖値、体温等はある一定の範囲に、厳密に保たれています。この、体温・血圧・血糖値などの調節は、「内分泌系」と「自律神経系(交感神経系と副交感神経系)」が担っています。このような体内環境を一定に保つ能力は「恒常性維持機構(ホメオスタシス)」と呼ばれています。

ホメオスタシスの一翼を担う「自律神経系」は、内臓の器官、組織の活動を支配しており、神経活動を活発にしたり、弱めたりすることで、末梢の臓器組織の調整を行います。自律機能の調節を行う総合中枢は、間脳に位置する「視床下部」(視交叉上核)です。この部位が壊されると自律神経活動の変化も消失してしまいます。例えば、「視床下部」(視交叉上核)は体内時計の中枢で、この活動が失われると、夜になっても目が冴えて眠れないといった症状が現れてしまいます。

交感神経と副交感神経の「興奮」と「鎮静」が生理機能を変化させる。

不規則な生活が続くことによって体内時計が乱れ、自律神経の制御が不十分になると、血糖・血圧・体温・エネルギー代謝などの調節ができなくなります。それにより鬱や、肥満、糖尿病・高血圧等の生活習慣病が生じることが明らかになってきています。つまり、生理機能の変化(糖尿や高血圧等)は自律神経活動、すなわち交感神経と副交感神経の活動の変化と深い関係があると言えます。

したがって、各器官・組織の活動に結びつく交感神経・副交感神経の活動を直接測定すると、生理機能の変化がどの方向に向かおうとしているか、短時間で明らかにすることができるのです。

自律神経の計測で、生理機能の変化を捉える。

従来の、生理機能の評価方法は、最終的な生理機能の変化を指標として測定しているものがほとんどでした。しかし、前述の交感神経・副交感神経活動との関係性からすると、内分泌を測定しても、自律神経を測定しても、最終的な生理機能の変化を測定しても、それらの変化の方向は同じです。したがってどれか一つを測定すればよい、ということになります。この際、ある臓器組織の働きを支配する自律神経が興奮したからといって、すべての臓器組織の交感神経が興奮するわけではありません。個々の自律神経で、異なった活動変化が起こるため、それぞれの臓器組織と関連する自律神経の活動を正確に測定するには、精緻な技術が必要となります。
自律神経活動測定試験は、神経活動を直接測定するため、内分泌系や生理機能による誤差とは無関係であり、なおかつ、試験時間も短いため、時間経過による環境変化の誤差も小さいのが特長です。自律神経は応答性が良く、短時間で変化が起こるという利点から、生理機能の評価指標として適しています。