私たちの体は、気温の変化や、食事の摂取・運動による体温の変化など、体内外の環境の変化に常にさらされており、その変化の中でも、血圧や血糖値、体温等はある一定の範囲に、厳密に保たれています。この、体温・血圧・血糖値などの調節は、「内分泌系」と「自律神経系(交感神経系と副交感神経系)」が担っています。このような体内環境を一定に保つ能力は「恒常性維持機構(ホメオスタシス)」と呼ばれています。
ホメオスタシスの一翼を担う「自律神経系」は、内臓の器官、組織の活動を支配しており、神経活動を活発にしたり、弱めたりすることで、末梢の臓器組織の調整を行います。自律機能の調節を行う総合中枢は、間脳に位置する「視床下部」(視交叉上核)です。この部位が壊されると自律神経活動の変化も消失してしまいます。例えば、「視床下部」(視交叉上核)は体内時計の中枢で、この活動が失われると、夜になっても目が冴えて眠れないといった症状が現れてしまいます。